なかなか寝付けない・・・。

だから俺は部屋を出た。

水を飲むか、それとも外に出るか。

「不動・・・君?」







悩んでいたところに後ろから声をかけられた。

迂闊・・・だったな。気がつかないなんて。

「・・・木野か。」

「あぁ、やっぱり!・・・こんな時間にどうしたの?」

「木野は?」

まさか寝付けないという、餓鬼臭い理由なんて言えるはずもないから

逆に聞き返した。

「・・・私、なかなか寝付けなくて。水でも飲もうかな〜、って。

不動君も?」

・・・まさか同じ理由だったとは。なんだか見透かされているみたいで

いやだったから、ただ、喉が乾いただけだ、と言った。

「そっか。じゃあ、一緒に行こう?」

「・・・あぁ。」

それから無言。よく考えてみると、俺は木野とあんまり話したことがない。

まぁ、俺自体あまり人と話したりはしないけどな。

でも俺としては普段、木野はぺちゃくちゃ喋る方だと思ってたから意外だった。

「不動君は・・・」

最初に沈黙を破ったのはやはり、木野の方からだった。

「楽しい?」

「・・・っは?」

「みんなといて、みんなとサッカーして、楽しい?」

俺には木野の質問の意図が読めなかった。

「・・・なにが言いたいんだ?」

「不動君、みんなと楽しむキャラではないって分かってるんだけど・・・。

いつもみんなの後方で目を光らせてるイメージがあるから・・・。」

俺は思わず吹き出した。やっぱりこいつは訳がわかんねぇ。

「ちょ、何で笑うの?!心配してるんだよ?」

「余計なお世話だ。お生憎、俺にはこれが一番合ってるんでな。」

食堂の方で、木野に注いでもらった水を一気に飲み込む。

「でも、良かった!!」

そんな俺をにこにこと見つめてくる。

「不動君、私にも笑ってくれたもの。なんかちょっとうれしいな。」

そういってコップを片づけると小さく手を振った。

「じゃあ、また朝ね。」

そういって走っていった。

その後、いくつか頭の中に疑問がいくつかあがった。

木野は水を飲むと言ってここまで来たはず。だけど水は飲んでいなかった。

つまり木野は俺がここに来るのを見て来たんじゃないか?

わざわざそれを伝えるために。

っふ、と笑みがこぼれた。







変なやつ





でもおかげで俺も眠れそうだ。

やっと、な。









投げやり気味に書いてしまったww
もう不動分かんない!色んな意味でミステリー←
でも、心から笑える相手が秋ちゃんであったらいいな〜っと。






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