俺は今、片想いをしている。
彼女の名前は木野秋。雷門中サッカー部、そしてイナズマジャパンのマネージャーでもある。
でも木野もまた、別の奴に恋をしていて。
俺はそいつが誰かも知っているし、そいつがどれほどにすごい奴なのかも知っている。
いつもチーム全体をまとめ、全員からの熱い信頼を寄せている。
到底敵いそうもないんだけどな・・・。
「みんなー!休憩にしましょー!」
グラウンドに木野の声が反響する。
「よーし、みんな!じゃあ休憩だ!」
円堂の声に全員が応えて各自散らばっていく。
「はい、円堂君。お疲れさま。」
「ああ、さんきゅ。」
にこにことタオルを渡す木野に円堂も笑顔で答える。
やっぱりこいつら、お似合いだよな・・・。
「はい、風丸君。お疲れさま。」
木野がいつの間にか俺の方に来て同じフレーズで呼びかけてきた。
「!あ、ああ。ありがとう・・・」
俺のどこか気のない返事に疑問を持ったのだろう。
木野が少し怪訝な顔つきをした。
「風丸君?どこか体調が悪い??」
「え、いや、なんでもない・・・。」
他に答えようがなく、曖昧な答えになってしまう。
それだけ鋭いのに、なんで自分のことになるとこんなに鈍いのか、笑えてくる。
「嘘、でしょ。笑顔が歪んでるよ?」
「っ・・・」
「私じゃ、力になれないこと?」
「・・・俺はただ、木野が幸せでいられたらそれでいい・・・。」
「えっ?どういうこと?」
なんだか気恥ずかしいセリフを吐く自分と、その意味を理解していない木野を見ると、
自分がばかばかしくなって思わず木野の頭をくしゃくしゃっとなでる。
「っちょ、風丸君?!髪がぼさぼさになっちゃうでしょ?!」
「なんでもない。忘れてくれ。タオル、サンキューな。」
走っていく俺の背後で木野が、答えになってない!、と叫んでくる。
そんな瞬間が心地よくて、さっきまでのもやもやが一気に消えて、今は彼女は俺が
独占しているという衝動に駆られる。
だけど、もう少し俺が大人になって
君に伝えることが出来たら
・・・それまでに円堂との距離を詰めておかないとな。
きっと振り向かせるためにも・・・。
風秋熱、まだまだほっかほかです。
まあこれは風→秋→円の気もしますが、気にすんな!(っえ?)
風秋もっと増えろ!!←
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