「で、円堂。結局のところ、どうなんだ?」
「・・・え〜と・・・。」
メンバー全員に冷たい視線を送られ、どうしようもなく
居心地が悪く感じる、円堂守。
なぜ、こんなことになってしまったのか。
事の発端は数分前。
彼らは木野秋の家に集まって勉強会をしていた。
メンバーは円堂、豪炎寺、鬼道、風丸、半田、松野。
「じゃあ、そろそろ休憩しようか。
ケーキ作ったんだ。今、持ってくるね。」
そういって下へと降りていった。
いや、降りてしまった、と言うべきか。
そこからトークは始まった。
「手作りケーキかぁ。秋の料理はみんなうまいもんな。」
「あぁ。春奈も褒めてたな。」
ここで松野が口を挟んだ。
「なぁなぁ、ぶっちゃけ・・・木野のことはどう思ってる?。」
ぴしり。そういう音がした気がした。
「俺はぶっちゃけ、結構好きなんだよな。」
松野の予想外な発言に円堂以外の全員が反応した。
「ま、ま、マックス!!俺そんなの聞いてねぇぞ!!」
「俺もだよ!何で言ってくれなかったんだ?!ライバルがいたなんて!」
「まさか、風丸まで?!お、俺だって!!」
「中途半田には無理だろう。木野には俺が合っている。」
「鬼道もなのか?!」
「ってか、中途半田ってなんだよ!気にしてるのに!!」
「・・・木野には夕香のことで世話になってるからな。」
「なんだかよくわかんねーけど、豪炎寺もなのか?!」
ギャー、ギャー、ギャー・・・・・・
大パニックである。
「まーまー、みんな。落ち着けよ。ライバルがいるって楽しいじゃないか!
何でも強敵がいるってのは、燃えるだろ?」
ピタッと動きが止まり、静かになる。
悪気の一つもないこの発言に、円堂は後々後悔することとなる。
「・・・円堂はどうなんだ?」
「?なにがだ?」
「円堂は木野のこと、どう思ってるんだ?」
よからぬ雰囲気に背中に冷や汗が流れた。
円堂には自覚が無いが、秋は円堂に想いを寄せている。
それは既に全員が知っていることだから、気になるのもしょうがないだろう。
「・・・みんな、どーしたんだよ、怖い顔して。
幸せが逃げてくぞ?」
「円堂、ごまかすなよ。」
鬼道のゴーグルの奥の目が、いつも以上に鋭く光っているような気がした。
「・・・はは・・・。」
そして今に至る。
「どうって・・・。秋は大事な仲間だ。ただ、それだけだよ。」
「本当にそれだけなのか?」
「あぁ。本当だ。」
「絶対に?」
「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜、しつこいぞ、お前ら!!」
さすがの円堂も切れた。そのとき。
ばたん。
「・・・どうしたの?みんな。」
「「「「「「!!」」」」」」
「これは、その・・・・。」
「新しい必殺技について話し合っていたんだ。」
さすが鬼道!!、と全員が安堵した。
「あぁ、なんだ。そうだったの。賑やかだったから、
びっくりしちゃった。」
そういって秋はにっこりと微笑んだ。
全員がその笑顔に癒されてる間に、秋はてきぱきと
準備をしていった。
「全員分切るのにちょっと時間がかかっちゃって。
味の保証はできないけど、どうぞ。」
ケーキの甘い味を堪能しながら、木野に敵うやつはいないな、
と思う円堂であった。
ある日の休日
帰り道。
「・・・今日は悪かったな。」
「あぁ、俺の方こそ。」
「円堂も・・・な。悪かったよ。」
「んぁ?もういいよ、気にしてないし!」
「だけど、木野だけは譲れないからな。」
「「「「俺だって!」」」」
夕日をバックに、決意を固める少年達であった。
秋ちゃんの家に男の子達が遊びに来る、というリクを
出してくださったので、総受けにしてみました・・・・が。
なんか長い割に上手くまとまらなかったという事実(^p^)
他の男の子達の気持ちを強調させるためにあえて円堂君は
秋ちゃんに対して恋愛感情を抱いていない、という設定に
しました。伝わってもらえてるといいのですが。
ともあれ、ゆか様、リクエストありがとうございました。
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