「お兄ちゃん!」
「春奈。」
「聞きたいことがあるんだけど。」
「なんだ?」
「お兄ちゃんって、好きな人いないの?」
「・・・。」
だめだ、反応無し。聞いても無駄だったか。
もともと興味なさそうだし、しょうがないか。
ちょっと気になったんだけど・・・。
「鬼道くん。ちょっといいかな?」
「あ、先輩。」
そこに木野先輩が来た。
「あぁ。悪いが行くぞ、春奈。」
「うん。」
話題を完全スルーされたけど、まぁいっか。なんて思ってたけど・・・。
向こうの方で木野先輩と話してるお兄ちゃんがあまりに楽しそうで、
動きが止まってしまう。あんなお兄ちゃんの顔、見たことない。
「・・・ふ〜ん、いるんじゃない、お兄ちゃん。」
思わずにやけてしまう。
「おーにーいーちゃーん。」
話し終えたようで、木野先輩が立ち去った後にすぐさまお兄ちゃんに近寄った。
「・・・今度はどうしたんだ。」
お兄ちゃんもなにやら察したようで、困惑した表情になっている。
「やっぱりいるんだね。」
「何がだ?」
「好きな人。」
「そんなのはいないぞ。俺はサッカー一筋・・・」
「木野先輩。」
お兄ちゃんの言葉を遮ってすかさず名前を出す。
「・・・は?」
「だーかーら、木野先輩が好きなんでしょう?」
「い、いや、俺は・・・」
普段では絶対に見られない表情。また、見ちゃった。
お兄ちゃんはひどく取り乱していて、顔が真っ赤になっている。
「やっぱりそうなんだ?」
「・・・春奈。お前は昔から妙なところで感が鋭いな。」
「もぅ!!失礼なこと言わないでよ!!それにそんな分かりやすい反応してて、
分からない方がおかしいのよ!」
「・・・俺はそんなに分かりやすいのか?」
「そりゃあ、もう!・・・だけど、木野先輩はどうかしら。」
「?」
「先輩。優しくて面倒見がいいけれど、ああ見えて自分のことに関しては
鈍感なところがあるの。そこが先輩の可愛いところなんだけどね。
・・・お兄ちゃん、積極的にならないと、誰かに取られちゃうかもよ?」
「!・・・」
そこで初めてお兄ちゃんの表情が凍り付く。
・・・お兄ちゃん、結構おもしろいかも。
「だーいじょうぶよ!私がしっかりお兄ちゃんのサポートをしてあげる!」
「!いや、春奈。それは・・・。」
「心配しなくても大丈夫よ!ちゃんとお兄ちゃんと先輩が結ばれるようにがんばるから。」
そのまま、呆然としているお兄ちゃんを置いて、駆け出す。
「お兄ちゃんもちゃんとアプローチしなきゃ駄目よ!そのゴーグル外すぐらいの
勢いがなくちゃ!!」
慌ててバッとゴーグルをおさえるお兄ちゃんがおもしろくて一人、ふふっと笑う。
さて。奥手なお兄ちゃんと鈍感な先輩。
どうしたものか。
大好きな兄と先輩が結ばれる方法1
一方、春奈に完全に誘導されてしまった俺は、一体どうすればいいのか。
正直、春奈が張り切りすぎて、結果、ややこしくなることが過去に多々あった。
天才ゲームメーカーと言われた俺もまだまだ修行が足りないと言うことか。
はい、やってしまいました。初の連載?ものです、一応。
鬼秋+春は個人的にすごく好きで、文になっていませんが思わず勢いで書いてしまいました。
でもなんか今回秋ちゃんほとんど出てませんね(苦笑)
しかもなんか春奈ちゃんが黒っぽくなってて、鬼道はただのヘタレになってしまいましたし。
いろいろ設定的に申し訳ないのですが、もしもこれが人気あるようなら間に
なので、もしもいいな、と思ってくださった方がいれば、拍手、メルフォ、掲示板等で
一言雲母に教えてくださいね。
って、あとがき長くなってしもうた(^p^)
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